わかりやすいSDHC UHS-I,UHS-II と class10 の違い

SDカードはテクノロジーの進化とともに書き込み・読み込み速度もUHS-I、UHS-IIの登場により飛躍的に高速化が進みました。 では実際にUHS-I SDカード、UHS-II SDカードと従来のSDカードの違いは何処にあるのか、意外と知らない人が多いかもしれません。 Delkinの製品を例にしてどんな違いがあるのか見てみましょう。



Delkin SDカード

Delkin社のSDカードから一部の機種をピックアップして一覧表にまとめてみました。 UHS-IIが3種類、UHS-Iが3種類の計6種類のSDカードを比較してみます。
が、その前にパッと見て気づくのはSDカード裏面のピンがUHS-IIとそれ以外では異なっていることです。 SDカード、UHS-I SDカードがピン数9本に対し、UHS-II SDカードは8本増えて計17本になっています。これは素人目にも一大事ということがわかります。 これについて詳しくは後で述べるようにします。


SDカードの性能とは基本的にデータの書込み速度、読出し速度のことです。書込み速度の性能差はカメラでの撮影の際に顕著に表れます。 高性能カメラに見合ったデータ転送速度を持つSDカードを選択することが大変重要になってきています。
また、データの読出し速度も大変重要です。 画像のバックアップ、編集のためのPCへのデータ転送などにかかる時間は思いのほか長時間になるものです。 編集をしたことがある人ならば誰でもイライラし苦労されたことがあるかと思います。


型番

POWER UHS-II U3/V90

PRIME UHS-II U3/V60633X UHS-I U3/V30
I/FUHS-IIUHS-IIUHS-I

Video Speed class

V90V60V30
UHS Speed classU3
SD Speed classClass 10
読出速度(max)300MB/s280MB/s90MB/s
書込速度(max)250MB/s150MB/s90MB/s
表面DDSDG2000128PRIME SD V60
裏面Black SD 背面
動作温度-25℃ 〜 85℃


SDカードについて

SDカードは、MMC(マルチメディア)カードから生まれた製品です。従いまして、電気的動作とフォームファクタは非常に似ています。 MMCカードは、普及しなくなり、SDカードに置き換えられました。

SDには、以下のような3つの異なる容量サイズとI/O機能が利用可能な合計4つのグループがあります。

  • 標準容量(SDSC)〜 2GB(4GBまで拡張)
  • 大容量(SDHC)〜 32GBまで
  • 拡張容量(SDXC)〜 2TB-(exFat)
  • SDIO(I/O機能とデータストレージを組み合わせたもの(SDカード仕様の一部ではありません)

SDインタフェースはCF/ATAとはまったく異なります。動作電圧は3.3Vまたは1.8Vで、SDXCは追加されたピンの電圧伝達能力が低くなっています。 SDは、ハイブリッド(パラレル/シリアル)インターフェイスです。

SDカードはSDカードモードまたはSPIモードで動作します。 各モードは、パワーアップ時にホストデバイスドライバによって決定され、カードに特別なコマンドが送られます。 SPIモードは1ビットモードで、速度は制限されていますが、マイクロコントローラアプリケーションでは一般的です。

SDがサポートする3つの基本転送モードがあります。

  • SPIモード(1ビットのシリアル入力ビットとシリアル出力ビット)
  • 1ビットSDモード双方向(別のコマンド/応答ライン)
  • 4ビットSDモード双方向(別のコマンド/応答ライン)

これに超高速(UHS)モードI、II、IIIが追加されます。


低速カードは、0〜400 kbit / sのデータレートとSPIおよび1ビットSD転送モードをサポートします。 SD 2.0カードは、理論上は4ビットモードで12.5 MB / sのデータレートをサポートし、SPIモードおよび1ビットSDモードでは3.125 MB /秒をサポートします。これは25MHzのホストクロックを使用しています。 SD3.0クロック速度を50MHzに上げると、これらの速度が倍増します。 UHSモードでは、DDRクロック、ホストクロック速度がはるかに高速、UHSモードでは低電圧差動信号ピンが追加されてスピードが大幅に向上しました。

SDカードのスピードクラスという規格が策定されたのは2006年のことです。 これによりデータ転送速度の目安として見慣れたスピードクラスのロゴが使われるようになり、一般のユーザでもわかりやすく、また用途によってスピードクラスを選ぶようなことも行われていました。
最低保証速度2MB/sの「SDスピードクラス CLASS 2」から最低保証速度10MB/sの「SDスピードクラス CLASS 10」まで4段階のクラスが設定されています。 「SDスピードクラス CLASS 10」は、フルHD動画撮影に使うこともできます。

更にフラッシュメモリについて知りたい方は:

フラッシュ製品の寿命を決める要素

最近のNANDの動向(そしてなぜ信頼性が重要か)

産業用CFカードと民生用CFカードの違いは何ですか?

工業用 vs. 民生用ストレージ


UHS-I/ UHS-II SDカードについて

一方、UHS-Iは2010年に発表された規格で、Ultra High Speedの略語です。 技術的には簡単に言えばバスクロックを上げて転送速度を向上させた規格で、その最低速度を保証するのがUHSスピードクラスということです。
ところがUHS-IIは 冒頭にも述べたように端子が8本増やされて2列構成になっています。この「違い」とは外観こそSDカードですが電気的にも技術的にも全く異なる製品であることを意味するものです。 
信号電圧は従来の 1.8 V から UHS-II では 0.4 V と低電圧化され、データ伝送方式も同期クロック 208 MHz (UHS-I SDR-104モード)のパラレル通信だったのに対し、UHS-IIでは1.56 Gbps のシリアル通信 となっています。 UHS-II対応の機器では主にこの8本の端子を使ってデータ転送が行われています。
UHS-II SDカードを従来の機器で使った場合は、動作モードが自動的に切り替わり従来のSD カードとして動作するようになっています。

このようにUHSでは転送速度の高速化が進んでおり、UHS-Iは転送速度 104MB/sであったものが、UHS-IIでは312MB/sまで可能となっています。 更に2017年にはUHS-IIIという規格が出てきてその速度は624MB/sとなるとのことです。


ところで皆さんはインフォテインメントという言葉をお聞きになったことがありますか? インフォテインメントとは、インフォメーション(情報)とエンターテインメント(娯楽)の語を組み合わせた造語で、「情報の提供」と「娯楽の提供」を実現するシステムの総称です。

飛行機、電車などにも乗客が快適な旅行をするために、GPS情報の提供、音楽やビデオの再生、サーモスタット制御、バックアップカメラのディスプレイ用などエンターテインメントや情報を提供する大容量メモリーストレージが搭載されています。
 
自動車を例にとればここ数年で、IVI(車載インフォテインメント)システムやドライブレコーダーが急速に広まりつつあります。 ご存知のように高容量で小型のSDカードはこれらのアプリケーションに最適なデバイスなのです。 今後、3Dナビゲーションやスマートカーコントロールシステムの成長が大きく見込まれる中、SDカードは大容量化だけではなく、データアクセスの更なる高速化も求められています。 UHS-II、UHS-III互換製品の登場は、このような用途にとっても重要な意味を持つことになるでしょう。



UHS-I/ UHS-II ラベルについて

さて次はSDカード表面に張ってある「ラベル」の見方です。
まず知っていただきたいのはUHS-Iの末尾の「I」はローマ数字の1の意味で、対応しているSDカードにはロゴの横に「I」が表示されているということです。 
同様に、UHS-IIの末尾の「II」はローマ数字の2の意味で、また同じくロゴの横に「II」と表示されます。 


他にも比較的新しいSDカードでは「ビデオスピードクラス」のスピードクラス表示も「V60」「V90」などと記載されています。 ご自身がSDカードを購入する際の目安となります。

SD UHS-I/UHS-II 表記の例



ビデオスピードクラスについて

先に「ビデオスピードクラス」に触れましたが、これは2016年に動画撮影を主目的にSDカードを包括的に網羅した規格として策定された新しい規格です。 「ビデオスピードクラス」では4Kや8Kの高解像度映像の記録を念頭に置いており、6MB/秒から90MB/秒まで5段階の指標が定められています。
UHS-I/II/IIIの規格などは理解がむずかしい部分があるので今後はこの「ビデオスピードクラス」ユーザにとって重要な指標になってくるものと思われます。

ビデオスピードクラス
 

SDHC UHS-I と class10 の性能の違い

さてこのビデオはSDHC class10とUHS-I SDカードの連写性能の比較をわかりやすく行ったものです。 SDHC UHS-IカードはSDHC Class 10のカードより、優れた書き込み性能を持つことが分かります。 UHS(Ultra High Speed)はSDXC & SDHC製品に適用され、高速バスインターフェースを採用し、最高104 MB/sの転送能力を持っています。UHS-I対応のカメラはUHS-I SDカードの組み合わせで最高のパフォーマンスを発揮することができるのです。


わかりやすいUHS-I スピードクラス1と スピードクラス3 の違い



POWERUHS-II ビデオスピードクラス 90 (V90)対応 SDHC/SDXCカードデータリード:300MB/s  データライト:250MB/s (max)  8K, 4K, HDR, 360度動画対応

SD POWER 2000X UHS-II (U3/V90) :128GB | 64GB | 32GB

DELKIN UHS-II SDHC/SDXCはUHS-II 対応SDカードでVideo Speed Class 90 (V90)(90MB/s 最低書込速度保証)に対応。シネマ品質での4K、8K動画の撮影でも書込み速度不足による中断は起こりません。UHS-II対応USB3.0カードリーダ READER-44を使えばデータリード: 300MB/s データライト: 250MB/s の超高速データ転送が可能になり編集作業が飛躍的に効率よくなります。 

Read:300MB/s   Write: 250MB/s (max)
 

PRIMEUHS-II ビデオスピードクラス 60 (V60)対応 SDHC/SDXCカードデータリード:280MB/s  データライト:150MB/s (max)  4K, HDR, 360度動画対応

SD PRIME 1900X UHS-II (U3/V90) :1TB | 512GB | 256GB | 512GB | 128GB

DELKIN PRIME UHS-II SDHC/SDXCはVideo Speed Class 60 (V60)(60MB/s 最低書込速度保証)に対応。シネマ品質での4K動画の撮影でも書込み速度不足による中断は起こりません。UHS-II対応USB3.0カードリーダを使えばデータリード: 280MB/s データライト: 150MB/s の超高速データ転送が可能になり編集作業が飛躍的に効率よくなります。 

Read:280MB/s   Write: 150MB/s (max)
 

ADVANTAGEUHS-I (U3/V30) 転送速度95MB/s 最新デジタル一眼レフカメラに最適です

SD ADVANTAGE 633X UHS-I (U3/V30):512GB | 256GB | 128GB | 64GB | 32GB | 16GB | 8GB

SD ADVANTAGE 633X UHS-I Speed Class3 のデータ書込み速度は80MB/sを超えており高機能デジタルカメラにおいて圧倒的なパフォーマンスを発揮します。 更に動作温度範囲が-25℃〜+85であり、且つ振動、衝撃、紫外線、塩水などの過酷な環境下での使用が可能なヘビーデューティな設計仕様により使用環境を選びません。

Read:100~90MB/s Write: 80~90MB/s