EOS 5D Mark2用 ポップアップシェード プロフェッショナルレビュー


Delkin EOS 5D Mark2用ポップアップシェード 北海道撮影旅行においての実使用レポート 礒村浩一

 
 屋外など強い明かりの元では液晶画面の表面に明るい空などが映り込んでしまい、液晶に表示された画像を正しく確認することが非常に難しくなってしまう。 液晶面を覆うシェードをカメラに装着すると液晶モニター表面に当たる余計な光をカットする事ができるので格段に液晶モニターの画像が見やすくなる。 また明るい場所で画像を見やすくするには液晶の明るさを極端に明るい設定にする必要が出てきてしまうが、シェードなどで液晶モニターを覆ってあげることでその必要もなくなる。つまり普段使用している液晶の明るさのまま使用できるので、適正露出と液晶モニターの画像の明るさのバランスを崩す事無く撮影できるのだ。
 
5Dmark2 液晶シェード
 デジタルカメラ最大の強みは撮影したその場での画像確認が可能であることだ。 撮影後すぐに確認することで画角や適正露出の確認ができるので、確実に撮影を進めることができる。 これは多くのカメラマンにとって安心につながる大きな要素だ。しかし屋外など強い明かりの元では液晶画面の表面に明るい空などが映り込んでしまい、液晶に表示された画像を正しく確認することが非常に難しくなってしまう。
そこで液晶面を覆うシェードの出番となる。

 液晶面を覆うシェードをカメラに装着すると液晶モニター表面に当たる余計な光をカットする事ができるので格段に液晶モニターの画像が見やすくなる。 シェードまわりをすこし手でかざしてあげると更に見やすい。
また明るい場所で画像を見やすくするには液晶の明るさを極端に明るい設定にする必要が出てきてしまうが、シェードなどで液晶モニターを覆ってあげることでその必要もなくなる。 つまり普段使用している液晶の明るさのまま使用できるので、適正露出と液晶モニターの画像の明るさのバランスを崩す事無く撮影できるのだ。

これらの利点により私はかねてから液晶シェードの有効性を感じていたのである。  
実は以前にも液晶モニターを覆うシェードを使用していたことがある。それは液晶面の縁に合わせて粘着性のテープを使って貼付けるものであった。 液晶面への有害光をカットしてくれる効果は非常によく重宝していたのだが、フードの造りが弱くすこし引っ掛けただけで壊れてしまった。 それでも他に代わりの製品もなく数個を取り替えながら使用していたのだ。
また粘着テープで貼付けているので、スタジオ内などシェードは必要のない環境でも容易に取り外す訳にはいかなかった。 いったん外してしまうと粘着力が弱まり再度の張付けでははがれて落下する恐れがあるからだ。それによって破損してしまった経験もある。 結局、何個も壊してしまったあげくシェードの使用自体諦めてしまったのだ。
以来シェードを使用することもなく、明るい屋外での撮影の際に液晶モニターの画像を正確に確認する必要のあるときには、昔ながらの黒布をかぶって外光を遮断するという方法を取っていた。 そのようなときにこの米国Delkin社製のポップアップシェードPROの存在を知ったのだ。

このポップアップシェードPROはカメラ機種ごとに最適な形で用意されている。今回は現在多用しているキヤノンEOS 5D Mark2用を取り寄せて使用することにした。 ちょうど毎夏恒例となっている北海道への撮影旅行にEOS 5D Mark2も持っていくことに決めていたので早速装着してみることにした。

装着は本来カメラに装着されているファインダー部の接眼アイカップを取り外し、かわりにポップアップシェードPROの一部なっている接眼アイカップを取り付ける。つまり粘着シートなどは一切使用しないのだ。 これなら撮影環境に合わせて付け外しも容易だ。
アイカップ部でのみの固定だが、普通に使用している範囲では外れることもなくしっかりと固定されている。 シェード自体は通常折り畳まれており液晶モニターを見る際にシェード下部のつまみを引き上げ開いて使用する。シェード板にはバネが内蔵されており少し引き上げただけであとはパカっと開く。 例えるならハッセルブラッドのフェインダーフードのような造りだ。 折り畳む際には左右両側の板を指で押さえて上面の板を下げてあげれば良い。 この際のロックもしっかりしており不用意にシェードが開いてしまう事もないだろう。

肝心のシェードとしての効果だが、予想通り十分に液晶面にあたる不要な光を遮断してくれる。 今回撮影していた北海道はすでに秋の気配となっていたのだが、空気の透明度が格段に高いおかげで日差しは東京などよりも数倍も強い。 したがって液晶面に直接光が当たっていると全く画像が見えなくなるのだが、このポップアップシェードPROのおかげで大いに助かった。

また今回はEOS 5D Mark2でのライブビュー撮影とハイビジョンムービー撮影も行ったのだが、液晶モニターを見ながらの撮影においてもポップアップシェードPROによる遮光されたモニターなら十分にディティールを確認しながらの撮影が可能であった。 
特にムービー撮影では黒布をかぶっての撮影では風に煽られた布でカメラに振動が伝わるうえ、布の旗めき音が記録されてしまう。 シェードの使用は必須と言えるだろう。

ポップアップシェードPROのもう一つの特徴は各機種にカスタマイズされたボタンの設置だ。 ポップアップシェードPROを装着すると液晶モニター周りのボタン類も覆われてしまう。 そこで各ボタンを操作できるようにとポップアップシェードPRO本体に各ボタンへの延長ともいえるボタンが配置されている。 これによりシェードなしの状態の操作感と変わる事無くカメラの操作が可能となっているのだ。 
ただこれによりポップアップシェードPROの厚み分だけカメラの厚みが増えてしまうが、私の場合この程度ならはあまり気にならない。 むしろシェードのみを貼付けるタイプよりもシェードの縁を引っ掛けてしまうこともないので安定感につながるだろう。

このように今回の北海道撮影において非常に効果の高さを感じることができたポップアップシェードPROだが、気になる点もいくつかある。
カメラの機構上、延長スイッチをポップアップシェードPRO本体に作る事ができない電源スイッチだが、その厚みにより指での操作がすこし行いにくくなる。 この部分だけでも厚みを削るなどの方法もあるだろう。 
またポップアップシェード自体はポップアップシェードPRO本体より取り外しが可能となっているので、液晶モニターを保護するためにも透明なプラスチック板が取り付けている。 だがこのプラスチック板自体の映り込みがモニター確認の際の邪魔となる場合がある。 この板も取り外しが可能となっていると良いだろう。
またシェードの折り畳みの際に上面の板を押し下げるだけで畳めるような機構なら更に使い勝手が良くなると思う。こまめに画像確認が必要な場合など少し折り畳みが疎ましく感じてしまう場合があるからだ。

このようにいくつかの改良点も挙げられるポップアップシェードPROだが、その効果は非常に高い。 屋外での撮影が多いカメラマンにはお勧めできる製品と言えるだろう。
また液晶モニターを覆うことにより液晶モニターを傷つきなどから保護することにも繋がる。 おかげでクルマでの移動と撮影を繰り返し行う今回な撮影旅行のような、すこしラフな扱いとなってしまう場合でも機材保護の点からも安心感に繋がる。 このようにポップアップシェードPROは、すでに私のEOS 5D Mark2の標準装備となっており今後も活躍してくれることだろう。 

 
ポップアップシェードのカバー下部のつまみを指で引くとシェードがパカッとを開く。閉じている時は液晶モニターをしっかりと保護。
 
 
ポップアップシェードを開けば液晶モニターへの直射日光を遮ってくれる。画像の隅々までしっかりと確認することが可能だ。
 
 
シェード側面の板は少し小さい。折り畳みの為だと思うが、もう少し広いとより効果的に遮光してくれると思う。折り畳みアクションもワンタッチだと尚よい。
 
 
機種別に用意されたスイッチ。デザインもカメラ本体のものとそっくりなので、これを見た友人はあと付けで装着したものだとは気がつかなかった。
 
 
ポップアップシェードPROを装着したことで少し厚みが増えた。だが造りがしっかりとしているので私はさほど気にならない。むしろ鼻の脂が液晶に付かなくなるので良い。
 

宗谷岬 ウインドファーム
<--- 宗谷岬 ウインドファーム
5D markIIで撮影
ビデオをご覧になるには画像をクリックしてください。
 
礒村氏の個展が10月に東京・京都にて開かれます。
「光彩陸離-光溢れる北の大地より-」

2009年9月11日金曜日

礒村浩一 フォトグラファー

 1967年生まれ 東京写真専門学校(現 東京ビジュアルアーツ)を卒業後、広告写真プロダクションを経てフリーとして独立。現在、礒村写真事務所代表。 雑誌、広告写真を中心に人物、商品、建築、舞台等多方面の撮影を行う。朝日新聞社刊アサヒカメラデジタル、インプレスジャパン社刊デジタルカメラマガジンなどカメラ雑誌やWebにおいて写真撮影と記事執筆を担当。人物のレポート記事では写真と文字の両面からのアプローチで、被写体の内面に迫ると定評を得る。Photoshopによるレタッチの解説本も執筆。セミナーなどでは撮影指導も行う。近年は人と自然の繋がりをテーマに作品を製作。各地で精力的な撮影を行う。生来の新しい物好きが高じて新製品デジカメ&ムービーカメラのレビューの発表も多数。常に最新の動向に目を光らす

礒村浩一 フォトグラファー

 

はてなに追加 MyYahoo!に追加 livedoorClipに追加 Googleに追加